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龍光寺から佛木寺へ(29日目の2)

In : 29日目, 菩提の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/16

彼ら、宿毛で二度目の再会を果たした年配の二人連れ遍路さんたちに、また会ったのだ。ボクが階段を登って龍光寺の境内に着くと、彼らは出発の準備をしていた。挨拶をする。するとすかさず「階段を下りたところで納経帳を忘れたことに気がついてね、また戻って来たのよ」と話してくれた。「ああ、それは大変でしたね。でも早目に気が付いてよかったですね」と言った。それから少し話して、彼らはまた階段を下りていった。ボクは本堂へと向かった。

龍光寺にて

龍光寺にて

この龍光寺では思い出がある。それは納経所のお婆さんが、ボクの納経帳を見て「これからはお寺も多くなるから、下敷はもう2枚あったほうがいいから」と、新聞紙を切って下敷を作ってくれた。納経帳は一枚の髪を折った袋状になっていて、染みにくくはなっているものの、墨の量などで染みる場合がある。そのために袋の部分にカットした新聞紙を敷くのだけれど、その下敷きはもう2枚あったほうが今後は良いというのだ。1枚だと1寺から2寺分しかないので、この日のように1時間後には次の札所に着くという場合はまだ濡れている場合があるから、ということだった。

後ろには順番を待っている人たちがいた。ボクのほうが恐縮してしまっていた。お婆さんは、それでも何度かハサミで切って納経帳に合わせてくれた。そしてボクに渡してくれた。「はい、これで大丈夫だから」と、その70歳を過ぎている、いや80歳も近いだろう女性は微笑んでくれた。ありがたかった。

11時40分出発。裏山を通って県道に出た。それほど急峻でもなかったし、雨上がりではあったけれどぬかるんでもいなかった。それでも用心をしたのだろう2組ともその道を通らないで迂回して県道へ向かった。

12時10分、佛木寺着。日曜日だからなのだろうか、婦人会という感じの人たちがお接待をしていた。なんだか「ひとつ良いですか」なんてのは言いにくいものだ。「どうですか」と言われてはじめて「あ、すみません、ありがとうございます」なんていただける。その時は、人も多かったのだろう、受けられなかった。それはそれですこし哀しい気分になった。

12時40分、佛木寺出発。少し行ったところの休憩所で二人連れの遍路さんがお弁当を食べていた。ボクは「先に行ってます。また」と道路の反対側にいる彼らに挨拶をして歩いて行った。思ったとおりコンビにも銀行もATMもなかった。そうなるとお腹が空いてきた。不安になってきた。

冬は確実に近づいていた

冬は確実に近づいていた



同じ靴履いてた女の子・・・(29日目の1)

In : 29日目, 菩提の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/16

4時に目が覚めた。トイレ、休憩所にてコーヒーを一杯頂く。雨は止んでいた。部屋に戻って、また少し寝た。5時30分起床。音を立てないように撤収する。それでも同宿だったオーストラリアのバックパッカー氏を起こしてしまう。挨拶だけして、彼はまた眠ってしまった。ボクはそのまま部屋を出てロビーにてコーヒーを飲みながら新聞を読んだ。それからホステルのご主人に挨拶をして、6時40分出発。雨上がりのしっとりとした山間の空気に包まれる、心地よかった。

道が分からなくなり2回ほど訊ねた。龍光院の猫たちと少し遊んで、合同庁舎、それから踏み切りを渡って、少し行った先を右折、国道ではなくて旧道を通るのが遍路道だ。踏切を3度渡ることになる。サークルKにて買い物。その先、北宇和島駅近くにもローソンがある。その北宇和島駅から少しずつ登り坂になっていった。雨上がりの太陽はまぶしく輝いていた。

県道57号線光満から

県道57号線光満から

8時50分、光満のひとつ手前のバス停にて休憩。そこで休憩したのは、少し前に遍路が歩いていたからだ。その距離がみょうに気になったので、そこで時間を空けて、距離を開けた。9時出発、少し雨が降り始めた。青空も見えていたのだけれど。9時30分、へんろ小屋光満到着。そこで朝食をとる。サークルKで買ったミニタワラランチを食べた。

10時00分出発。少しだけ雨は降っていた。レインジャケットを着た。JR予讃線むでん駅の手前を左折。そこでレインジャケットを脱いだ。

そこでお金がないことに気がついた。失くしたなんてことではなくて、ATMで降ろさなければならなかった。日曜日、昨日5000円ほどの出費だったので、残りが少なくなっていた。そこから西予市卯之町までの遍路道沿いにはコンビにもなさそうだった。そしてなかった。

11時少し過ぎに四十一番札所龍光寺着。参道前の食堂長命水の長命うどんを食べてみたかったけれどお金がなかった。ひとりの女性とすれ違った。宿毛の延光寺でボクが出発する時に山門で手を合わせていた人だった。その一瞬で憶えるほど印象深かった、というよりも、同じ靴を履いていたからだ。色違いだったけれど、その靴をハッキリ憶えていた。

と考えていると、ボクのほうが宿毛を早く出ているのに、ここに来て追い抜かれているのは、いったいどんだけの速度で歩いたのだろうか、なんて思った。龍光寺の裏山を通らないで、山門に戻ってから佛木寺に向かうルートで彼女は、ボクと二度目の遭遇をして去っていった。

ボクはそれから参道を通り階段を登った。そしてまた彼らに会った。

龍光寺の階段、右手の矢印の方向に行くと山道を通る遍路道

龍光寺の階段、右手の矢印の方向に行くと山道を通る遍路道