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まるごとソーセージ(12日目の3)

In : 12日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/10/30

ほんと、まるごとソーセージ、よく食べたなあ…。カロリー摂取(341カロリー)だけではなくて、菓子パン(あんパンとかコッペパンジャムマーガリンなんかの)よりは、健康によさげな感じがして食べた。ジャンボソーセージもよく食べた。

山崎製パン
山崎製パン | イチオシ商品

表を見ると、ナトリウムが多いだけ、なことに、少なからず後悔していたりするのだけれど、お菓子というよりも食事ということを考えると、やっぱりまるごとソーセージかなあ…。

国道55号線は海岸線沿いにボクを安芸市まで運んでいった。大山岬も室戸と同じようにボクの記憶の中に正確に収まっていた。上の道を通らずに下の道を取った。そして地蔵堂にて参拝、少し休憩した。

道の駅大山の先の道路が工事中で、防波堤道路への進入路を通り過ぎてしまった。「通り過ぎた」ということを気づいたのは線路を渡って、そして線路が左手に見えたからだった。途中で防波堤道路へ線路を渡って行った。夜がまた近づいていた。

いおき駅のあたりで、防波堤道路から国道に合流する。その先にローソン安芸伊尾木店があった。買い物をする。ねぐらを探す時間になっていた。夕食はそこで食べることになるので、助六とおにぎり、そしてやっぱりまるごとソーセージだった。

安芸市内を通って、染井町、養老乃瀧のところから海岸線に向かった。地図には市営球場、阪神タイガースのキャンプ場として有名なのだけれど、その辺りに公園があって、トイレや休憩小屋が記載されていた。その少し手前の海岸、干魚工場のある浜に辿り着いた。もうそこで眠ろうと思った。

助六とおにぎりカツオ、デカウマソーセージの夕食を食べた。行動時間は短かったのだけれど、疲れていた。そのまま素泊まり(テントを張らずにマットと寝袋だけで)していたのだけれど、風が強い日で寒くなったので20時過ぎにテントを張った。強風がテントを揺らす。

夜中、何度も頬にテントの布が触れる。何か動物がテントの上にいる、半分夢の中で思っていた。振り払っても振り払っても逃げない。「こら~」と叫んだ。その声で目がさめた。風がテントを揺らしていた。軽いテントはしなるだけしなって、揺れるだけ揺れていた。ナイロン袋に入れられた金魚すくいの金魚みたいなものだと、思った。

何度も目が覚めた。何しているんだろう、とも思った。

安芸の海岸
安芸市の海岸にて、大山岬、そして遠く室戸岬。

*奈半利~安芸市球場前手前
*安芸市球場前手前の海岸泊

(出費)
・Yショップ奈半利 おかもと酒店
ポカリスエット 147円
おにぎり昆布 105円
一口サンド 230円
飴 100円
(小計 582円)

・ローソン安芸伊尾木店
おにぎりカツオ 105円
助六 398円
デマウマソーセージ 113円
まるごとソーセージ 121円
(小計 737円)

・自販機
缶コーヒー×2 240円
スポーツドリンク 150円

合計 1709円



プロ遍路との出会い(4日目の1)

In : 4日目, 発心の地, Posted by 田原笠山 on 2008/10/22

「神山、鬼門や~」とその遍路は言った。
そしてボクが自販機の缶コーヒーを買おうとしたら「こんなところに金落とすことはない」と…。神山町には鬼籠野(おろの)というところがあるのだけれど、そういう意味では本当に鬼門かもしれない…。

道の駅神山の朝は近接した民家から流れてくる演歌で明けた。6時起床。素早く片付ける。そしてパッキングし終わってから洗顔、歯磨き。終わったところで自販機前のベンチでコーヒーでも飲もうとしたときに、いかにも遍路のことは知りつくしてますよ、という感じの、そしてそのことが全身に、例えば使い古された菅笠や白衣、ザックやそこにパッキングされたテントに見てとれるプロ遍路氏から声をかけられた。

「どこに泊まった?」
「そのへんに」(実は道の駅の東屋は「野宿禁止」という看板が立っていた)
「東屋はダメだし、焼山寺の下のところは水道を使えないし、ここも食べるところはないし、キャンプ場に行けってか、神山鬼門やで~」
「そうですか。どこで眠られたのですか?」
「そこの橋の下。まったく、鬼門や~」
そして「こんなところに金を落とすことはない」ということになったのだ。

それでもボクは自販機に120円を入れて、ジョージアオリジナルを買った。
「今日はどこまで行く?」
「えっと、まだ決めてないので…」
「頑張れば○○タクシーに行けるか」
「え?…(面倒くさかったので)そうですね」
と曖昧にボクは答えた。そのプロ遍路はその後すぐに東、鬼籠野方面へ歩いて行った。後で分かったのだけれど「○○タクシー」とプロが言ったのは徳島市内の栄タクシーのことで、そこにある善根宿が歩き遍路の定番になっているようなのだ。ボクはまだそういった宿のことを知らなかったし、善根宿や宿泊が可能な大師堂などが書いている「善根宿リスト」を持っていなかったので分からなかった。

人は何を求めて歩いているのだろうか。「鬼門」と言って、ボクにとっては「それぐらい」のことで怒りを表すプロ遍路氏を不思議に思った。あるいはその「野宿禁止」になったことに対して、その理由に対しての怒りだったのだろうか、とボクは、これを書いている今、考えている。

というのも、いろいろな場所が野宿禁止になっていた。その理由が遍路のマナーの悪さが原因だった。中には「大便をそのへんにするので」と張り紙までされているバス停もあった。民家の近くだといろいろとトラブルもあるのだろうし、神山のようにキャンプ場が近い道の駅だと「キャンプ場に行って寝て下さい」と住民の多くが思ってもしかたないと思う。キャンプと野宿は違うとしても、その違いは遍路の都合なのだからそんなことよりも、目と鼻の先で毎日のように誰かが寝ているということへの嫌悪感のほうが地元住民にとっては重要なのだろうということは理解できる。

プロ遍路氏はそのような「最近の遍路」のマナーの悪さに対して怒っていたのかもしれない。そしてその被害者は通過者であるボクのような遍路ではなくて、滞在型の遍路なのだろうと思う。一夜の宿ではなくて、彼にとっては50日後にまた戻ってくる場所なのだから。

その後、ボクはプロと呼ばれる人たち何人かに出会うのだけれど、例えば門前で托鉢をしている人、ガイドをしている人、酒を飲んで寝ている人、絵を書いている人、大量の荷物を自転車に積んでいる人…。彼らはいったい何を求めているのだろうか、と考えていた。あるいは四国と言う場所が住みやすいからという理由からなのかもしれないと考えていた。

菅笠、金剛杖、そして白衣を着れば、お遍路さんと言われ、お接待を受け、野宿をすることが認められる。真夜中に歩いていようが、軒下に身体を横たえていようが、公衆トイレで身体を拭いていようが、許される。

そういう意味では四国は住みやすいかもしれない。ボクが今住んでいる町の公園でテントを張ったとしたら、きっと警察に通報する人もいるだろう。そしてそういう野宿者が毎日のように現れたとしたら、「野宿禁止、キャンプ禁止」ということになるのだろう。

都会ではいろいろな事件が起きる。そしてその度に人々は包容力を失くしてゆく。

四国は優しい。その優しさの中での旅が野宿が、ボクは生温いものに思えていた。そしてそういう迷いや疑問を提示してくれたプロ遍路氏の出現こそ「鬼門だなあ」と思っていた。

ボクは鬼籠野へ歩き始めた。

阿呆坂あたりのコスモス
阿保坂あたり、まだ秋という毎日でした。



そして神の山は焼けた(3日目の2)

In : 3日目, 発心の地, Posted by 田原笠山 on 2008/10/21

焼山寺を打ち終えて、結局食料もないということで鏡大師経由を諦めて神山経由を選んだ。当初は鏡大師経由という計画だったのだ。藤井寺から焼山寺、そして鏡大師、広野、国道192号までの道には食料を確保できそうな店が、地図上には存在しなかった。そのことがボクを神山経由にさせた。それに16時から玉ヶ峠越えには自信がなかった。自信、というよりも、怖かったのだけれど…。

神山の町並みを見たときに、ボクは一日中山の中だったこともあったのだろう、ホッとした。安心した。もう大丈夫、と思った。焼山寺山は霊験あらたか、何か不思議な力が宿っているように感じていた。途中に見たイノシシの皮を吊るしていた畑の光景(きっとイノシシ避けなのだろう)とか、深山幽谷、誰にも逢うことのなかった山間の集落、そして疲労が少し感覚を麻痺させていたのかもしれない。

ボクは少し怖かった。サンクスで都会を感じたとしても、その感覚は拭えなかった。なにかがいるような、あるいは、ボクになにかが憑いたような、何かを感じていた。その感覚は徳島市内に入るまで消えなかったのだけれど…。

サンクスで食料を調達した。そして夕食もその都会、あるいは文明を感じさせる場所で済ませた。なによりも山を焼くような夕陽がクライマックスを迎えていたのだ。少しボクの感覚は麻痺というよりも、平衡感覚をなくしていて、そしてそれが恐怖という感覚に繋がっていたのかもしれない。

焼山。山は焼けていた。きっと弘法大師も同じ光景を見たのだろう。その地形が出来た時から、山が焼け、そして町が赤く染まる。人々はその光景に神を、あるいは仏を見たのだろう。神山。
焼山寺の夕焼け
夕食の野菜サンドとまるごとソーセージを食べたボクは、道の駅を目指した。クライマックスを終えた西の空には夜が段取りよく忍び込んでいた。暗い道を歩いた。とてつもなく長く感じた。1時間にも満たない時間、夜を歩くのはそれだけで感覚を麻痺させた。長く感じた。

ボクは道の駅に着いた。東屋に腰を下ろした。もう動けなかった。それは毎日のことだった。力を残さないでねぐらへと辿り着く毎日。その日もおおよそ10時間は歩いていた。

*藤井寺~焼山寺
*道の駅温泉の里神山

*(出費)
・サンクス神山町店
野菜サンド 280円
まるごとソーセージ 121円
赤飯おにぎり 130円
ふんわりロールマーガリン 105円
ポリッピー 103円
柿の種 105円
アサヒサンジャポスポーツドリンク 98円
ガム 120円
・自動販売機
スポーツドリンク3本 450円
缶コーヒー 120円

合計 1632円