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さよなら石鎚温泉(36日目の4)

In : 36日目, 菩提の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/23

前神寺を17時に出発したボクはすぐ近くにある石鎚温泉に行った。宿泊もできる温泉施設だ。温泉に入った。そしてそこで夕食を食べた。

実はこの温泉には約1月半後の翌年1月に青春18きっぷで行った。その時は前日に高松、徳島、牟岐駅下車、内妻海岸でテント泊、そして翌日善光寺、石鎚温泉に入って、そして西条からムーンライト松山で岡山という旅をした。ボクにとっては想い出の場所だった。

だったというのは、実は2月に閉店したそうなのだ。ボクも知らなくて、先日石鎚温泉のサイトを見たら「平成21年2月4日をもちまして、閉店致しました。」とあった。http://www.ishizuchi-spa.net/

ちょうどボクが行ってから1か月後のこと。そんな感じはしなくて、賑わっているように思っていたのだけれど。なんだか寂しい気持ちでいっぱいになる。

久しぶりの生、魚だけれど

久しぶりの生、魚だけれど

話は戻って、その石鎚温泉ではにぎり寿司うどん定食を食べた。835円だった。(こういう安さが経営を圧迫したのだろうか、と考えている)18時30分に温泉を出て、少し戻ったところにあるJR石鎚山駅に行った。小さな無人駅だった。近くにラブホテルがある。

駅に着くとボクはベンチに腰を下ろした。しばらくすると電車が着いて、遍路がひとり降りた。「こんにちは」とお互いに挨拶した。そして30代前半だろう男は「石鎚温泉は近くですよね」と訊ねてきたので「ええ、すぐですよ、ボクも今入ってきたところです」と言った。「そうですか、ここにお泊りになりますか」と訊いてきたので「はい、そのつもりです」と言った。すると彼は「ボクも泊まろうかなあ」と言って「その前に温泉に行ってきます」と言った。

ボクはその時に金剛杖がないことに気付いた。「あ、温泉に忘れてる」と思い出して。「ボクも一緒に行きますよ。杖忘れて」と言って、二人並んで歩いて行った。そしてボクはまた駅に戻ってきた。

21時過ぎに彼はやって来た。電車の時刻表を見ながら、「やっぱり今晩はここに泊まります。明日の朝一番で伊予小松に行って61番から打ち始めます」と言った。少し話した。彼はその年の2月から区切り打ちをしているということだった。2月からだから、もうそろそろ1年という時間が過ぎようとしていた。1年間通して遍路を出来たことは通しで50日間というひとつの季節だけを見るということよりは、4倍の経験をしたのではないか、ということを話した。

そして今回はその日に六十番から石鎚山に参拝して、翌日4つの札所を巡わって帰宅するということだった。仕事をしながら、連休があると四国まで来て巡拝する。難しいことだろうと思った。

彼は石鎚温泉で食事とお酒を飲んだらしくて、かなり眠そうな目をしていた。22時少し過ぎたあたりに「寝ます」と言って寝てしまった。ボクも目を閉じた。

23時ごろになったら二人連れの若い遍路がやって来た。ベンチは1台残っていた。「こんばんは」と静かに挨拶をした。ひとりは女の子だった。その22、3歳と思われる女の子がベンチに寝て、男の子は床にマットを敷いて寝た。どちらも軽装だった。もう限界という感じの装備だった。寒そうに男の子は丸まっていた。

そのすぐ後に、もう1人やって来た。石鎚温泉にいた遍路だった。ベンチも場所もないことを確認すると、近くの軒下にテントを張った。(朝分かったことなんだけれど)

みんな起きていたのかもしれない。その日は全員横峰の山を登って、そして下りて来たのだから疲れていた。そして温泉に入ったところで、筋肉も感覚も弛緩してしまったのだろう脱力感に支配されていたのだろうと思う。ボクもそうだった。そして多くの遍路が石鎚温泉に浸かって、疲れを癒したのだろう。もう数え切れないほどの人たちが。

しばらくすると雨の音が聞こえてきた。ついていると思った。同宿4人。いしづちやまの駅は満員だった。石鹸の匂いと温泉の香りが充満していた。女の子の香水の香りかもしれなかったけれど…。

幅50センチのマットより狭いベンチがこの日のベッド

幅50センチのマットより狭いベンチがこの日のベッド

西条市丹原町久妙寺、丹原総合公園~西条市西田甲
JRいしづちやま駅泊

(出費)
・ファミリーマート小松大頭店
あんまん 105円
肉まん 105円
スナックパン(8) 179円
カロリーメイト 105円
ビッグソーセージ 116円
(小計 610円)

・石鎚温泉
入湯券 450円
にぎり寿司うどんセット 835円

・自動販売機
缶コーヒー×2 240円
スポーツドリンク 150円
ミルクティー 120円

(合計 2405円)