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眠れぬ善根宿の夜(13日目の4)

In : 13日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/10/31

同じ部屋に見ず知らずの人と眠るということが出来ない人もいるのだろうと思う。ボクもどちらかというと苦手なほうだけれど、歩き疲れて辿り着く善根宿や遍路小屋では、早々と眠ってしまうので、あるいは眠れることで、相部屋の人との会話も避けられるので、それほど苦にはならなかった。相手が話しかけてくる場合もあったのだけれど。

西岡善根宿、19時にはボクはもう睡魔に襲われていた。ウトウトしながら、同宿のプロ遍路氏と少しだけ話した。プロ遍路氏は、なかなか寝付かれないようだった。部屋の電灯は0時過ぎまで点っていたし、早朝4時頃には点いていた。

それだけならばいいのだけれど、ラジオの深夜番組を聴き始めた。そしてそれは電灯が点く4時までも、そしてその後も聞こえていた。マナーについて話していた人とは思えない行動だったのだけれど、ボクは先輩遍路氏に対しての敬意を表して沈黙していた。ラジオに耳を傾ければいいだけのことだった、そう思った。

そして眠る。またラジオの音や、プロ遍路氏の物音で目が覚める、眠る、という繰り返しだった。

4時に電灯を点けて髭を剃っていた、そしてなにか読んでいるようだった。5時過ぎたらゴソゴソとザックの中から何かを取り出す音が聞こえる。それからパッキングを始めた。これが何度も何度もやり直すというもので、ほとんど病的だった。なかなか良い感じに荷物の位置が決まらなかったのだろう。ボクはもうその時点でハッキリと目がさめていたし、いつ起き出すかという状態だった。6時過ぎに起き出した。

「おはようございます」とボクは言った。
「おはよう」と聞こえた。

ボクはしばらく氏の様子を壁にもたれかかって見ていた。何度かやり直した。50リットルほどのザックに銀マット、テント、予備のバックを外にくくりつけていた。恐らく15キロは超えているのだろう、その重量がパッキングを難しくしているようだった。

ボクも寝袋を片付けた。そしてパッキングする。10分ほどで終わってしまった。それから顔を洗い、出発の準備をした。線香を上げて、神棚の賽銭箱に宿泊代300円を入れた。

プロ遍路氏は、宿泊ノートに何か書いていた。なぜ4時に起きて何度も何度もパッキングしたのか分からなかった。ボクを起こすための嫌がらせか、とも思ったりした。

結局、ボクのほうが先に出発する。「お世話になりました。お先に失礼します」なんて言って、29番札所国分寺に向かった。氏は「ああ」なんて感じの返事をしてくれた。

またプロ遍路という人たちへの嫌悪感みたいなものが生まれた。

雨は上がっていた。いよいよ高知市内だった。ユリさんのところへ行く日だった。そう考えると、また哀しみが蘇ってきた。夕方には逢えるはずだった。

西岡善根宿近くの地蔵二人

西岡善根宿近くの地蔵二人

*安芸市球場前手前の海岸~南国市西山
*西岡善根宿泊

(出費)
・ローソン安芸津久茂店
小岩井コーヒーホット 141円
おにぎりカツオ 105円
おにぎり日高昆布 110円
おにぎり辛子高菜 110円
(小計 466円)

・サンクス芸西店
救急バン 210円
スニッカーズ 120円
(小計 330円)

・道の駅 やす
芋天 100円
モダン焼 500円
(小計600円)

・自販機
スポーツドリンク2本 300円

合計 1696円