Tags: 浮津海水浴場

停滞、修行僧登場?(21日目の1)

In : 21日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/08

雨の朝だった。

キャンプ場からの夜景

キャンプ場からの夜景


6時起床
6時30分、テント撤収。一応テントを片付けた。土曜日だし、なにかイベントがあって、なんてことも考えた。
7時、朝食。昨日買った芋天。

それから、ただ、海を眺めていた。

10時30分、再びテントを張る。
雨で気温が下がっていた。横になりたかった。

11時30分、ピーナッツの昼食。

11時50分、昨日のみかんとチョコレートをいただいた女性が来る。「あら、今日は雨だもんね」

「はい、ここに泊まることが出来てよかったです」
「そうねえ、雨の日は動くのも嫌よね」

なんてことを話した。女性は連れの男性とご飯を食べて、そして何か一生懸命家のことやら仕事のことを話していた。少し気まずい感じがした。テントの外にいたので、中に入るわけにもいかず、ベンチに何もすることなく座っていた。それから目を閉じて、寝たふりをした。それが一番良い方法に思えた。

12時10分、ホームレスのような人登場。
カップ酒と総菜を持ってボクの隣、少し離れたところに座る。「ここはたまに遍路の人がいますよ。この前は青森の人がいました」「このテントは雨漏りしませんか」ということを聞かれるが、「ええ」「そうですか」と上の空で答える。おじさんもそれ以上話を続けなかった。

12時30分、女の人たちが帰ったので、テントにもぐり込む。おじさんはその場所で酒を飲んでいた。

12時50分、そのおじさんもいなくなる。いつも来るのだろう、それがゴミ箱だとは分からなかった一斗缶の中にゴミを捨ててどこかへ行ってしまった。「ホームレスなんだろうか」とボクはその修行僧のような風体のおじさんのことを考えていた。修行僧のような、というのもおかしな話だけれど。

13時、カロリーメイト2袋を食べる。少し頭痛、薬を飲む。

そして眠った。

雨のキャンプ場とシェルター

雨のキャンプ場とシェルター



浮津海水浴場の夜(20日目の3)

In : 20日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/07

その日は暖かかった。秋、晩秋の海も暖かく見えたし、陽気に踊っているようにも思えた。

何もしないまま時間だけが過ぎた。停滞すると決めたら気持ちは少し軽くなった。それでも、天気の良い日に座って海を見ている遍路、その自分に罪悪感を憶えたりもした。それでも時間は確実に流れてゆく。時として全てを取り残してまでも…。

15時になって、ここに泊まることの許可を取らないと、と思い始めた。ちょうど女の人が向こうの道路に見えたので、急いで、そして足の痛みを隠して、「すみません」と近づいていった。

「あの~、ここを管理されている方は、どちらにお住まいなのでしょうか」
「ああ区長さんね、どうしました」
「ここに泊まらせていただきたいと思いまして、代金とかお支払いしたいので…」
「それなら、わたし行って話してくるから、ちょっと待っていればいいわよ」
「あ、そうですか、すみません、遠いのですか」
「ええ、すこしあるからね」
「お願いします」

というような話をしてその奥さんは行ってしまった。

1時間ほどして戻ってきた。
「どうぞお泊まりになって下さい、とのことでしたから」
「お金は」
「お遍路さんからはもらえない、って区長さん言ってましたよ。それにシーズンでもないし」
「ありがとうございます」

と、すこしボクのことやら、これまでの旅のことやらを10分ほど話して、その奥さんは帰って行った。

夕陽が綺麗だった。
そしてなんだか涙が流れてきた。

ボクは海の家の前にテントを張った。屋根が着いている場所だった。これで雨が降っても大丈夫だな、と思った。

17時 日替わり弁当、搗き餅2個の夕食。
何もない夜。寝ているのか寝ていないのか分からない夜。波音の夜。そして哀しみの夜。

浮津海水浴場の夕方向こうが道の駅

浮津海水浴場キャンプ場の夕方 向こうが道の駅

*ホテル海坊主~浮津海水浴場
*浮津海水浴場キャンプ場

(出費)
・道の駅 ビオスおおがた
日替わり弁当 400円
古代米おにぎりセット 250円
芋天 150円
搗き餅4個 200円
(小計 1000円)

・自動販売機
カップコーヒー 100円

合計 1100円



そして海の家へ(20日目の2)

In : 20日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/07

大方の遍路小屋にいた。
ベンチに寝転がっていた。もう動かないいようと思ったし、動かない方がいいと思った。

遍路小屋に泊まる準備をしなければならなかった。11時、荷物を遍路小屋の柱にワーヤーロックして、道の駅ビオスおおがたに空荷で買い出しに行く。その日と次の日の分の食糧を確保しなければと思っていた。11時35分、道の駅着。

日替わり弁当、おにぎり弁当、餅、芋天を買う。ピーナッツなど非常食もあるからそれぐらいにしておいた。気温も上がっていたので傷みも早いだろうということも考えた。もう少し買っておけば良かったと、あとで思うのだけれど。

浮津海岸、大方遍路小屋下

浮津海岸、大方遍路小屋下


12時に遍路小屋に戻って、それから、荷物を持って海岸に降りた。国道沿いの遍路小屋、そして工事中という状況は居心地が良くなかった。ボクは海岸、そしてその先に見えたキャンプ施設の方へ行こうと、道の駅からの帰り道に考えていた。

12時20分、浮津海水浴場の大方キャンプ場着。海の家はシーズンオフでひっそりとしていた。その前のベンチに座った。少しして工事現場の人たちも弁当を持ってやって来た。そのグループとは別の夫婦、いや男女ペアの内装屋さん、あるいは、大工、左官、とにかく建築関係だろうと思ったふたりがやってきて、弁当を食べ始めた。

そしてボクも古代米おにぎりセットと搗き餅を食べた。金曜日のお昼、海の家はシーズン中のように賑やかになった。

食事が終わると、それぞれ煙草を吸ったり寝転がったりで、短いお昼休みに積極的に身体を休めていた。そして13時前になると、工事現場の人たちは仕事に戻って行った。

内装屋さんだと思った女の人がボクのほうにやって来た。そしてチョコレートとみかんを「お遍路さん、どうぞお食べ下さい」と渡してくれた。「あ、ありがとうございます」とボクは慌てて言った。忘れていた。自分が遍路だということを。

そういうとそのふたりも仕事に戻って行った。

海の家にはまたシーズンオフの寂しさが戻った。

ボクは寝袋やマットなんかを干した。それからただぼんやりと海を見ていた。

大方キャンプ場にて

大方キャンプ場にて