Tags: 屋島

屋島ピラミッド、山頂の水族館の不思議(42日目の1)

In : 42日目, 涅槃の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/29

4時10分、いつもより早く目がさめた。結願を次の日に控えていて、少し興奮もしていたのだろうと思う。あれほど痛んだ膝の痛みもいつのまにかなくなっていた。それでもサポーターは着けていたのだけれど、それはお守りのようになっていた。

コーヒーを飲んで、それから風呂に入った。結願する身支度、身体を清めるという気持ちもあった。それからパッキングして6時00分出発した。一度春日橋まで戻ってから、まだ明けやらぬへんろ道を歩いた。新春日橋で国道11号線を右折した。屋島はそこにあって、あの宇宙的な山容が朝焼けに浮かんでいた。まるで人工物のように思えた。ピラミッド。そしてそこにあっても何ら不思議もないように感じていた。

高松琴平電鉄志度線かたもと駅のところを左折し屋島の登山道に向かった。池に沿ってある公園、そこを通り遍照院あたりから急な坂になる。地元の人たちの散歩コースなのだろう、日曜日の朝早くから歩いている人たちがいた。

その急な坂を登り、八十四番札所屋島寺には7時10分に着いた。不思議なことにこの山の上に水族館がある。観光地として集中させるということでは、便利なのかと考えた。

納経が終わり納経所を出たら、雨が降り始めた。それもかなり激しく。夕立ならぬ朝立ちだ。狸の嫁入り。納経所の隣にある休憩所で雨が止むのを少し待っていた。ボクより先に来ていた遍路は合羽を着て行ったようだった。10数分待って、少し小ぶりになったところで出発した。7時50分。屋島寺からホテル甚五郎の前を通り屋島ドライブウェイを渡り県道150号線に出るルート、へんろ地図にある「甲ルート」だ。

屋島ホテル甚五郎前から

屋島ホテル甚五郎前から

雨上がりということもあり、そして急な下りで、かなり怖い道だった。雨は強く降ったり止んだりを繰り返しながら、川を渡る頃にはすっかり雨雲は遠ざかっていた。

須崎寺を通り、有名なうどん屋「山田屋」の前に出た。ここのうどんを食べようと思っていたのだけれど、9時前、開店まで時間があった。あきらめて坂道を八栗寺へ向かった。

9時00分、八栗ケーブルやくりとざんぐち駅到着。トイレを借りて、そして近くにある「そば処六六庵」に寄った。そばなのだけれど、うどんを注文した。そしておでんも食べた。出るときに「安宅屋羊羹」というのを2本いただいた。

ケーブルの横から八栗寺への参道はあった。急登。だからケーブルがあるのだろうけれど。9時25分出発。

その急登を歩いて、9時45分、八十五番札所八栗寺到着。紅葉が綺麗だった。少し遅い、というか、このあたりが暖かいからだろうと思った。そしてその紅葉目当ての観光客や参詣の人、遍路で寺は賑わっていた。厳しいところにある寺のほうが人が多いように感じた。それだけ「霊験」というものを感じるのかもしれないと思った。

10時15分八栗寺出発。県道145号線を讃岐牟礼へ下って行った。「あと3」と、世界のナベアツの真似をした。とにかく「3」だった。

県道150号線にて

県道150号線にて



ぐるっと高松(41日目の3)

In : 41日目, 涅槃の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/28

へんろ地図の他に、全体を見ることの出来る地図をたまに見たほうが良いと思う。観光案内所で無料配布されているような地図でも良い。へんろ地図は遍路道に沿って、その周辺しか記載されていないので、どうしても狭窄的にしか捉えることができないで、全体像が分からなくなる、そして微妙に方向感覚や距離感がずれてくる。

高松市内に近い八十三番札所一宮寺から屋島に向かうルートを仏生山、川島本町経由に決めて歩き始めた。前日の国分から高松はとても遠い距離を歩いた感覚だったのだけけれど、坂出と高松をグルグル回っていて、直線距離にするとほとんど進んでいないことは、広い地図を見てやっと認識できた。

そして通ってきた八十場や国分、鬼無なんていう駅は、電車で一度通っていたのだけれど、そのことを実感できるのもやはり地図を見たからだった。きっとそういうことなのだろうと思う。物事は俯瞰してみないと自分の立ち居地が見えてこない。

15時00分に一宮寺を出発して、すぐ近くにあるローソン高松田村神社前店に寄って買い物をした。野宿用の夕食も買った。春日川まで4キロほど、そこからねぐらを探して川を下って高松琴平電鉄志度線の春日川駅まで約10キロ、18時前。それがタイムリミットだと考えていた。あと3時間。

国分からのへんろ転がしの登り下りで疲れていた。それでも結願が近いことがボクの身体を軽くしていた。春日川に突き当たり、そして川沿いの県道156号線を下った。護岸工事をしていた。野宿できない状態の河川敷。更に下った。

へんろ道保存会のとそっくりの「四国のみち」道標ステッカー。それで下半分を切られたのか?

へんろ道保存会のとそっくりの「四国のみち」道標ステッカー。それで下半分を切られたのか?

六条モールが見えて、そして高速架橋下をくぐると、足元には夜が訪れていた。河川敷道路は道幅が狭く、そして帰宅ラッシュでこれまでで一番歩きにくい道だった。すれすれに車が通る。ボクもギリギリまで避ける。ヘッドライトを取り出して、左手に持った。そうでもしないと引っかけられそうに思ったからだ。

高松大学を通る頃には夜の中にいた。暗くなるとねぐらを探すのも難しくなった。遠くから判断できなくなる。かなり近くに行って、そこで眠れるかという決断をしなければならなかった。そうなると限定されてしまう。見える場所が限定されているのだから。

河川敷で探すことをあきらめた。どこででもよさそうなものだけれど、あまりにも交通量が多すぎると感じた。人の多い。そして隠れる場所も少ない。歩き続けた。そしてJRの線路を越え、県道155号線春日川橋に着いた時に「ホテルに泊まろう」と思った。JR高徳線北町駅も近いし琴平電鉄の春日川駅も近い場所、地図にはその周辺にいくつかのビジネスホテルが記載されていた。一番近いホテル、ビジネスホテルかすがに向かった。

少しだけ迷ったのだけれど、ホテルに着いた。18時ちょうど。4000円という部屋にチェックインした。3階。フロントの女主人だろう人はエレベーターがないことに対して「すみません」と2度ほど謝った。ボクの疲労を読み取ったのか、そこまでの長旅への労いの言葉を含んでいるのか。その両方なのだろうと考えていた。それはありがたいことだった。

前々日、善通寺でホテルに泊まったばかりだった。洗濯物もTシャツと1枚だけになったブリーフだった。いつものように浴槽にお湯は張りながら洗濯をした。そして風呂に入った。

それからすぐ近くにあるミニストップ春日店に行った。カップ麺とチキン、それに入浴剤なんかを買った。ホテルに戻ってカップ麺とローソンで買っていたおにぎり、それにチキンの夕食をとった。そして少しして入浴剤を入れた風呂にもう一度浸かった。

もうゴールが見えていた。そのことで少し緊張していた。最後のホテル泊になるかもしれないと思った。そして讃岐香川の日々を振り返った。うどんも思ったほど食べてはいなかった。時間もまだ4日しか過ごしていなかった。

涅槃の道場。何かを悟り、そして何かから脱したという感じもしなかった。ボクは、あいかわらずのボクだった。

夕暮れの屋島、高松

夕暮れの屋島

高松市国分寺町JR国分駅~高松市春日町
ビジネスホテルかすが泊

(出費)
・食堂みちくさ
うどん 400円
アーモンドチョコ 220円
(小計 620円)

・ローソン高松田村神社前店
ヤマザキ黒糖饅頭 84円
カロリーメイト 105円
ビスコ15枚 110円
マルゼンスパイシーデカウマソーセージ 113円
おにぎりかつお 105円
おにぎりシーチキンマヨネーズ 105円
貼るカイロミニ5P 250円
(小計 872円)

・ミニストップ春日店
ヤマザキ高級つぶあん 121円
効湯 食塩炭酸湯 100円
100円ライター 100円
シーフードヌードル 118円
サクッとチキン 138円
(小計 577円)

・自動販売機
ミルクティー 120円
缶コーヒー 120円
(小計 240円)

・ビジネスホテルかすが
宿泊代 4000円

(合計 6309円)