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24番札所最御崎寺前の院?(10日目の2)

In : 10日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/10/28

10時30分に法海上人堂下の海岸を出発したボクは喉が渇いていた。上人堂のトイレの横には蛇口はあったのだけれど、水がでなかった。小川の水を飲めば良かったと思った。自動販売機も文明に合わせて設置してあった。例えば10㎞という距離に自販機が一台もなかったとしても、そのことを不便だと感じることは、普通に生きていればあまりないように思うし、おおよそ都会には、これでもかと言うぐらいに自販機が存在している。

喉も渇いていたけれど、お腹も空いていた。朝から缶コーヒー1本とカロリーメイト1箱だけだった。室戸市に入って少しした岬に久しぶりの自販機が見えた。その奥は食堂になっていた。中華そばの幟があった。もう考える余裕はなかった。それほど空腹だった。

きつねうどん450円と、巻き寿司4個300円を注文した。そして出された水を一気に飲んだ。お替わりしてもう1杯一気に飲んだ。そしてうどんも寿司も平らげた。スープも飲み干した。

そこのお姉さんは、たぶん佐喜浜あたりからその店に通っていて、昔はとても美人だったのだろうし、恐らく佐喜浜か室戸あたりのスナックでは人気のママさんだったのだろう、なんてことを考えていた。少し話した。ボクがどこから来たのかとか、野根からここまで自販機がなくて、ここの自販機が仏えて24番札所前の院という感じでありがたいですよね、なんてことを、ボクは美人を前に少し饒舌になっていた。

キャラメルをいただいた。ボクはその店を出て、そして自販機でスポーツドリンクを買った。12時を少し過ぎていた。それから歩いて佐喜浜八幡社にて休憩した。トイレに行った。温暖な気候なのだろう、蚊の大群が飛び回っていた。

温暖と言っても、季節は秋、それも冬に近い秋だった。歩けば暑い、立ち止まって日陰にいると肌寒い、そんな昼下がりだった。

室戸の朝と菅笠

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充電の問題なのだ(10日目の1)

In : 10日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/10/28

目が覚めるとテントの外は明るくなっていた。東に向けた入り口を開けると、水平線はすでに赤く染まっていた。日の出が近いことが分かった。ボクは取りあえず小便をした。そしてテントの中に戻って、いつものように出発の準備を始めた。太陽が、朱に染まった辺りの風景の中に染み入るように、ジワリとその姿を現した。日の出はボクに勇気を与えてくれた。夕日は哀しみを教えてくれた。
野根海岸にて

しばらく日の出を眺めていて、それから本格的に撤収を始めた。室戸まで40㎞、歩き始めた。東洋大師明徳寺に参詣した。そこで60歳を過ぎているだろう二人連れのお遍路さんと出会った。明徳寺の通夜堂に泊まったのだろうかと思っていて、そのことを尋ねたら手前の民宿に泊まっていて、6時には出たということだった。この方たちとは宿毛で再会して、そして宇和島、西予市で再会する。

歩き始めた。ふたり連れのお遍路さんたちもボクの後にいた。国道55号線、道路はピッタリと海岸に寄り添って室戸へと続いていた。野根を過ぎると室戸市までは食堂も商店も、そして自動販売機もなかった。そのことを知るのは、最後の自販機を見た10㎞先のことだったのだけれど。

法海上人堂に参詣した。そこで休憩した。食料がなかった。野根の商店街は開店していなかったのと、その先に何かあると思っていたので、なんの準備もしていなかった。二人連れのお遍路さんたちもやって来た。「暑くなりましたね」と挨拶をして、ボクはその上人堂の下の海岸に降りた。もう少し暖かければ泳げるのではないかというぐらいの天候だった。海はキラキラと輝いていた。

法海上人堂の横を流れている小川は、その下の海に流れ込んでいた。ボクはその水で白衣、Tシャツやパンツを洗った。ついでに顔を洗い、歯を磨いた。洗濯物と一緒に、テントやシュラフを干した。ボクも干した。テントやシュラフだけではなくて、ボク自体が湿っているような感じがしていた。乾いた場所に眠りたいという欲求もあった。

メールチェックをした。携帯電話の電池がなかった。昨日買った乾電池を充電器に入れて充電した。電池式充電池での充電では充満されなかった。携帯電話やデジタルカメラの充電、それらの装備を持ち歩いていると常にそのことが気がかりだったし、どこで充電するかという問題も考えなければならなかった。

ホテルや民宿以外だと、通夜堂や善根宿で充電するしかないのだろうけれど、それはどうも憚れれるように思った。無料で泊まらせていただいているという気持ちもあったし、その数も少なかった。そんな気持ちはあっても、通夜堂で充電したこともあった。

携帯電話の充電を考えると、どうしても5日に1回はホテルや民宿に宿泊しなければならないのかもしれない。携帯電話やカメラというデジタル製品にボクたちは拘束されている。寝て食べて排泄して、そして充電という行為。楽になったのか、苦になったのか、幸せになったのか、不幸になったのか、なんて考えながら、ボクは片付け始めた。10時30分になっていた。

法海上人堂下の海岸にて
法海上人堂下の海岸にて