Tags: 善根宿

ボクが泊まった野宿場所と他のサイトをまとめみたよ

In : 四国遍路について, 行程, Posted by 田原笠山 on 2009/07/28

ボクが実際に野宿した場所や、遍路宿、札所の通夜堂、善根宿などをベースにネット上に公開しているものをまとめてみました。

(田原1)とは、ボクが宿泊した場所で数字は泊数です。(田原の1泊目ということです。)
(情報箱)はへんろ情報箱 | 歩き遍路で必要になるデータ集 | 88HenroClubの情報で、そのサイトから引用させていただきました。
(TAKAさん)は四国遍路の情報で、そのサイトから引用させていただきました。
(Mihohoさん)は同行二人: 四国歩き遍路 ‐テントとお宿と時々仲間‐ 野宿・宿泊場所一覧ここはお風呂の情報がとても豊富です。野宿場所の情報もかなりあります。

また位置については例えば、5番のところに記されているものは、5番から6番に向かう途中にあるということです。(一部例外はありますが)
詳細は各サイトをご覧下さい。
ご不明な点、ご質問などありましたらご連絡ください。答えられるものは答えようと思います。

(追記)
なお、キャンプ場以外でのテント設営は原則ルール違反だと思っています。ボクはそういうこともあり、遍路小屋や公園、軒下ではテントを設営しませんでした。一部道の駅などは管理者の許可を取っています。

バス停や公園に宿泊する場合でも、管理者の許可を取ってから宿泊するようにしましょう。もし管理者が不明な場合は、近くの人に相談されて、了解を得てから宿泊してください。記事にも何度か書きましたが、マナーが悪くて閉鎖されている施設もあります、そしてこれからも野宿禁止場所が増えると思われますので…。また古い情報もありますのでご注意下さい。

1番
ドイツ村(情報箱)

4番
大日寺手前、田園公園(TAKTさん1)
(仮)黒谷休憩所(遍路情報箱)
5番札所付近の県道沿いにある善根宿(Mihohoさん)

5番
上板スポーツ公園(田原1)
溝渕工務店(無料宿泊一覧表)
遍路小屋(Mihohoさん)

6番
安楽寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
6番札所前の休憩所(Mihohoさん)

8番
熊谷寺上の緑の丘スポーツ公園(TAKTさん2)
三木武夫公園(TAKTさん3)
熊谷寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
8番札所前の駐車場(Mihohoさん)

10番
吉野川市川島橋へんろ小屋(田原2)
鴨の湯(TAKTさん4)
江川の湧水休憩所(遍路情報箱)
上桜公園(遍路情報箱)
鴨島公園(遍路情報箱)
江川湧水源無料仮眠施設(無料宿泊一覧表)
鴨島温泉鴨の湯(無料宿泊一覧表)
鴨の湯(Mihohoさん)

11番
柳水庵(番外霊場)

12番
道の駅温泉の里神山(田原3)
焼山寺麓の民家(TAKTさん5)
神山ふれあい公園(遍路情報箱)
焼山寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
焼山寺の麓 遍路駅あり(無料宿泊一覧表)
杖杉庵(Mihohoさん)
プチペンションやすらぎ(Mihohoさん)

16番
栄タクシー(TAKTさん6)
栄タクシー(国道192号線沿)(無料宿泊一覧表)

17番
ビジネスホテル蔵(田原4)
地蔵院前休憩所(遍路情報箱)
大工町新町温泉(無料宿泊一覧表)
徳島県文化の森総合公園(Mihohoさん)

18番
恩山寺前バス停(田原5)
恩山寺駐車場(TAKTさん7)
恩山寺山公園(遍路情報箱)

19番
勝浦ヘンロ小屋(田原6)
民宿金子屋(TAKTさん8)
星谷運動公園(遍路情報箱)
前川キャンプ場(遍路情報箱)
JR立江駅(無料宿泊一覧表)
法せん寺の善根宿(無料宿泊一覧表)
勝浦ヘンロ小屋(Mihohoさん)

20番
水井休憩所(遍路情報箱)

21番
道の駅わじき(TAKTさん9)
ホテルわしの里(Mihohoさん)

22番
鉦打ヘンロ小屋(田原7)
木岐町の神社(TAKTさん10)
弥谷観音休憩所(遍路情報箱)
橋本屋旅館(Mihohoさん)

23番
内妻大橋下の海岸(田原8)
野根海岸(田原9)
三津漁港バス停(田原10)
はしもとドライブイン(TAKTさん11)
海部駅(TAKTさん12)
法海上人堂先のパーキング(TAKTさん13)
24番最御崎寺下の駐車場(TAKTさん14)
那佐運動公園(遍路情報箱)
宍喰ふれあい水辺公園(遍路情報箱)
ゴロゴロ休憩所(遍路情報箱)
夫婦岩休憩所(遍路情報箱)
はしもとドライブイン(無料宿泊一覧表)
鯖大師通夜堂(無料宿泊一覧表)
海部駅前休憩所(無料宿泊一覧表)
民宿宍喰の宿泊ハウス(無料宿泊一覧表)
高知東部交通甲浦バス停(無料宿泊一覧表)
白浜キャンプ場(無料宿泊一覧表)
高知東部交通三津浜バス停(無料宿泊一覧表)
内妻海岸(Mihohoさん)
白浜海岸(Mihohoさん)

26番
ホテルなはり(田原11)
吉良川の「まちなみ駐車場」(TAKTさん15)
二十三士温泉前の公園(TAKTさん16)
道の駅キラメッセ室戸(遍路情報箱)
弘法大師 御霊跡(遍路情報箱)
高知東部交通行当港バス停(無料宿泊一覧表)
道の駅キラメッセ室戸(無料宿泊一覧表)
吉良町まちなみ館休憩所(無料宿泊一覧表)
羽根岬駐車場(無料宿泊一覧表)
奈半利町加領郷漁協前公園(無料宿泊一覧表)
道の駅大山(Mihohoさん)

27番
安芸市球場前手前の海岸(田原12)
わじき海岸の公園(TAKTさん17)
浜千鳥公園(遍路情報箱)
琴ヶ浜休憩所(遍路情報箱)
神峰寺通夜堂(無料宿泊一覧表)

28番
西岡善根宿(田原13)
善楽寺、駐車場(TAKTさん18)

29番
一宮墓地公園(遍路情報箱)

30番
蒲原遍路小屋(Mihohoさん)

31番
土佐電鉄高知駅前ベンチ(田原14)
五台山公園(遍路情報箱)
五台山展望台休憩所(無料宿泊一覧表)
五台山展望公園(Mihohoさん)

32番
種崎千松公園(遍路情報箱)

33番
雪蹊寺の通夜堂(TAKTさん19)
種崎千松公園(TAKTさん20)
雪蹊寺通夜堂(無料宿泊一覧表)

34番
仁淀川大橋の下(遍路情報箱)
種間寺通夜堂(無料宿泊一覧表)

35番
清滝寺通夜堂(田原15)
塚地休憩所(遍路情報箱)
清滝寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
塚地休憩所(無料宿泊一覧表)
塚地休憩所(Mihohoさん)

36番
宇佐遍路小屋(田原16)
土佐久礼大坂休憩所(田原17)
横浪スカイラインくろしお展望公園(TAKTさん21)
とさくれ海岸駐車場(TAKTさん22)

大坂休憩所(遍路情報箱)
四国のみち 五社(高岡神社)休憩所(遍路情報箱)
須崎遍路小屋(Mihohoさん)
六十余社へんろ小舎(Mihohoさん)

37番
佐賀温泉遍路小屋(田原18)
ホテル海坊(田原19)
浮津海水浴場(田原20)
浮津海水浴場(田原21)
ドライブイン水車(田原22)
津呂善根宿(田原23)
岩本寺駐車場(TAKTさん23)
佐賀公園(TAKTさん24)
四万十癒しの郷(TAKTさん25)
大岐海岸(TAKTさん26)
足摺岬展望台下(TAKTさん27)
ドライブイン水車(TAKTさん28)
四国のみち 鹿島休憩所(遍路情報箱)
四万十大橋休憩所(遍路情報箱)
四国のみち 布崎休憩所(遍路情報箱)
ドライブイン水車(遍路情報箱)
大岐の浜(遍路情報箱)
足摺国際ホテル裏園地(遍路情報箱)
土佐清水市内鹿島公園(遍路情報箱)
爪白キャンプ(遍路情報箱)
小才角休憩所(遍路情報箱)
道の駅すくも (遍路情報箱)
岩本寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
観音寺(大方町伊田)(無料宿泊一覧表)
土佐南西大規模公園(無料宿泊一覧表)
津呂善根宿(無料宿泊一覧表)
中村市下田キャンプ場周辺(無料宿泊一覧表)
レストラン水車の休憩所(無料宿泊一覧表)
窪津漁港休憩所(無料宿泊一覧表)
佐賀温泉遍路小屋(Mihohoさん)
下ノ加江中学校裏(Mihohoさん)
道の駅横のふれあいパーク(Mihohoさん)
東宿毛駅(Mihohoさん)

38番
道の駅めじか土佐清水(田原24)
道の駅大月(田原25)
地蔵峠西谷大師堂(無料宿泊一覧表)
三原キャンプ場(無料宿泊一覧表)
足摺遍路小屋(Mihohoさん)

39番
宿毛珊瑚センター(田原26)
アサヒ健康ランド(現在閉鎖)(TAKTさん29)
春長児童公園(遍路情報箱)
松尾峠休憩所(遍路情報箱)
松尾峠松尾大師堂(無料宿泊一覧表)

40番
須の川公園(田原27)
宇和島ユースホステル(田原28)
観自在寺、手前の橋の下(TAKTさん30)
やすらぎの里、駐車場(TAKTさん31)
宇和島徳岡旅館(TAKTさん32)
宇和島市石丸公園(遍路情報箱)
内海DEA.1.21軒下(無料宿泊一覧表)
須の川グリーンパーク(無料宿泊一覧表)
津島やすらぎの里(無料宿泊一覧表)
やすらぎの里熱田温泉のバス待合所(Mihohoさん)

42番
善根宿「うつのみ家」(TAKTさん33)
歯長峠休憩所(遍路情報箱)
善根宿うつみの家(無料宿泊一覧表)
歯長峠手前四国の道休憩所(無料宿泊一覧表)
JR皆田バス停(無料宿泊一覧表)

43番
へんろ小屋宇和(田原29)
川口橋バス停(田原30)
大洲市神南堂休憩所(TAKTさん34)
内子町滝ノ上橋休憩所(TAKTさん35)
宇和運動公園(遍路情報箱)
鳥坂峠入口休憩所(遍路情報箱)
十夜ヶ橋の下(遍路情報箱)
道の駅内子近くの知清公園(遍路情報箱)
鴇田峠休憩所(遍路情報箱)
十夜ヶ橋通夜堂(無料宿泊一覧表)
長岡トンネル遍路無料宿(無料宿泊一覧表)
小田町堂山大師堂(無料宿泊一覧表)
小田町内バス停(無料宿泊一覧表)
へんろ小屋宇和(Mihohoさん)
十夜ヶ橋の通夜堂(Mihohoさん)
滝ノ上橋休憩所(Mihohoさん)

44番
古岩屋荘前バス停(遍路情報箱)
古岩荘前休憩所(無料宿泊一覧表)
ふるさと旅行村休憩所(無料宿泊一覧表)
古岩屋荘前のバス停留所(Mihohoさん)

45番
西之川バス停(田原31)
久万公園(TAKTさん36)
三坂峠休憩所(遍路情報箱)
三坂峠観音堂通夜(無料宿泊一覧表)

47番
松山市大橋公園(遍路情報箱)
八坂寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
西林寺手前の大師堂(無料宿泊一覧表)
西林寺手前の公園(無料宿泊一覧表)

48番
杖の淵公園(TAKTさん37)
杖ノ渕公園(Mihohoさん)

49番
松山市日尾公園(田原32)

51番
久万の台公園(TAKTさん38)
石手寺通夜堂(無料宿泊一覧表)

52番
太山寺通夜堂(無料宿泊一覧表)

53番
JR予讃線浅海駅(田原33)
浅海大師堂(TAKTさん39)
今治市藤山健康文化公園(遍路情報箱)
予讃線堀江駅、栗井駅(無料宿泊一覧表)
浅海大師堂(Mihohoさん)

55番
ホテルポートサイド今治(田原34)

56番
泰山寺通夜堂(TAKTさん40)
泰山寺通夜堂(無料宿泊一覧表)

58番
仙遊寺下休憩(遍路情報箱)
仙遊寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
仙遊寺通夜堂(Mihohoさん)

59番
丹原総合公園(田原35)
湯浪休憩所(遍路情報箱)
JR伊予桜井駅(無料宿泊一覧表)
道の駅今治湯ノ浦温泉(無料宿泊一覧表)
日切大師近く光明寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
60番遍路道尾崎八幡神社東屋(無料宿泊一覧表)
湯浪休憩所(無料宿泊一覧表)

60番
香園寺奥之院休憩所(遍路情報箱)

64番
JR石鎚山駅(田原36)
戸川公園(田原37)
石鎚温泉(TAKTさん41)
武丈公園(TAKTさん42)
三島公園(TAKTさん43)
前神寺休憩所(遍路情報箱)
延命寺前休憩所(遍路情報箱)
伊予寒川新長谷寺前休憩所(遍路情報箱)
JR石鎚山駅(無料宿泊一覧表)
新居浜市船木市民の森(無料宿泊一覧表)
延命寺休憩所(無料宿泊一覧表)
前神寺前の休憩所(Mihohoさん)
番外霊場延命寺前の休憩所(Mihohoさん)

65番
佐野バス停(無料宿泊一覧表)

66番
白藤大師通夜堂(田原38)
雲辺寺登山口集会所(TAKTさん44)
雲辺寺山休憩所(遍路情報箱)
五郷山公園(遍路情報箱)
白藤大師堂(無料宿泊一覧表)

69番
琴弾公園(TAKTさん45)
68、69番上の銭形展望台(無料宿泊一覧表)

70番
弥谷山ふれあいの森公園(遍路情報箱)

71番
道の駅ふれあいパークみの(無料宿泊一覧表)
道の駅ふれあいパークみの(Mihohoさん)

73番
善通寺グランドホテル(田原39)
出釈迦寺駐車場(TAKTさん46)

75番
別格17番神野寺近くほたる見公園(遍路情報箱)
善根宿あり(無料宿泊一覧表)

78番
道沿いの空き地(TAKTさん47)
大束川東川にある県道の高架下(Mihohoさん)

79番
讃岐府中駅近く綾坂大橋の下(遍路情報箱)

80番
JR国分駅(田原40)
四国のみち 石鎚休憩所(遍路情報箱)

81番
白峰パークセンター(TAKTさん48)
白峰展望台(遍路情報箱)
中山休憩所(遍路情報箱)

83番
ビジネスホテルかすが(田原41)
新池公園(TAKTさん49)
二ツ池休憩(遍路情報箱)

84番
八栗ケーブルふもと駅周辺(無料宿泊一覧表)

85番
二つ池親水公園(TAKTさん50)

86番
さぬき市造田宮西休憩所(遍路情報箱)

87番
道の駅ながお(田原42)
道の駅ながお(TAKTさん51)
亀鶴公園(遍路情報箱)
へんろ交流サロン横休憩(遍路情報箱)
大多和休憩所(遍路情報箱)
多和農村公園(遍路情報箱)
女体山休憩所(遍路情報箱)
大窪寺前休憩所(遍路情報箱)
お遍路交流サロンの東屋(無料宿泊一覧表)

88番
白鳥温泉前休憩所(遍路情報箱)
大内ダム公園(遍路情報箱)
白鳥松原(遍路情報箱)
彫刻公(遍路情報箱)
大窪寺通夜堂(無料宿泊一覧表)
88番札所前にある休憩所(Mihohoさん)



そして足摺へ(24日目の1)

In : 24日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/11

津呂の善根宿は道路沿いにあって、それもカーブの終わり(始まり)にあるので、車の音がすぐそばに聞こえて、ヘッドライトの灯りが部屋の中をなめるように照らしていた。それでも交通量が少ないのでうるさいとは感じなかった。寒い夜だった。一度夜中にトイレに行った。タヌキが道路を横切った。

それから2時半に目が覚めた。
宿の本棚にあった漫画「リアル」をヘッドライトの灯りで読み始めた。棚には他に何種類かの漫画や小説、語学テキストなんてのもあった。読んでいればそのうちに眠くなるだろうと思っていたのだけれど逆に目がさえてきて、そこにあった何巻かを読んでしまった。膝はあいかわらず痛んでいた。

5時になった。Kさんが前の道路を掃除している音が聞こえた。しばらくして宿の中に入ってきた。そして電灯を点けた。「おはよう」と言った。

「おはようございます」
「5時半ごろまでに出れば金剛福寺の開門に間に合うから」と言った。

開門に間に合う、という意味が分からなかったのだけれど、それに急いでもいなかったのだけれど「そうですか、それじゃ支度して出発します」とボクは少し急いで寝袋を小さく丸めて収納袋に押し込んだ。それをザックの中に入れてから、顔を洗った。膝のテーピングはしなかった。どこか途中でしようと思った。

5時30分を少し回っていた。ボクは宿の弘法大師像に線香をあげた。それからKさんに「お世話になりました。ありがとうございました」と言った。「気をつけてな」とKさんが言ってくれた。

それからゆっくりと歩き出した。痛みを感じていた。アスファルトの道が黒く延びていた。ヘッドライトの灯りを点けた。

足摺の夜明、遠く室戸

足摺の夜明、遠く室戸



善根ということ(23日目の3)

In : 23日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/10

津呂善根宿の納め札

津呂善根宿の納め札


17時過ぎに善根宿の主人Kさんがやって来た。なにやら風呂のところで、先ほどの男性と話していた。風呂が炊けてないということらしかった。入浴後に食事という段取りだったのだろう、ボクのところへやって来て「じゃ、風呂の前に、食事に行きますか」と、ご自宅へ案内してくれた。

野菜炒め、ブリの塩焼き、野菜サラダ、そしてご飯だった。Kさんがご自分で作られたということだった。食事中に、少しだけボクのこれまでの遍路の様子を聞かれたので、大まかな行程を話した。そして「どうして遍路に」と訊かれた。

「前から歩いてみたいと思っていたのです。四国や熊野は元気なうちにと思って、失業したこの機会に、と思いまして」ということを初めに話して、さらにもう少し詳しく答えた。仕事のことや、母親のことなども話した。

食事が終わってから、ボクはひとりで善根宿に戻った。そうしたら「風呂に入って下さい」と例の男性が声をかけて下さったので、返事をして浴場へ向かった。横を流れる川の水を汲み上げて、薪で沸かすというものだった。天然水風呂、なのだろう。

ボクが入っている間も、その男性は「湯加減はどうですか」と声をかけてくださった。風呂から上がり、部屋に戻る。ドラム缶ストーブで暖まった部屋にはその男性がいた。「どうもありがとうございました」と言った。

「今日はどこから」
「ドライブイン水車からです」と答えた。それから今日のことを話して「こちらの方なんですか?」と尋ねた。

「あ、私も遍路なんですよ」と答えてくれた。
少し驚いた。ボクの世話をしてくれていたので、てっきりここの人、と言っても、善根宿で生計は立てられないだろうから、近所の人が手伝いに来ているとか、主人の親戚の方とかだろうと考えていた。「そうでしたか。それは失礼しました」と言った。

「いえ、ここに少しお世話になっているもので」と、その遍路氏は言った。もう数周巡わっているそうで、今回は津呂の善根宿に数泊停滞しているということだった。部屋には寝ないでテントに寝起きしていて、こうして遍路の世話をしているとのことだった。その代わりと言ってはなんだけれど、風呂やトイレの設備を使わせてもらっているのだろうと、思った。

宿泊代500円と言っても、それを払ったから客として長居出来るものではないと思う。それに善根宿自体長期滞在する場所でもないのだろうし。500円で管理できるか、というとこれもまた難しい話で、やはり善意、それも見返りを求めない、善が根本にない限り営むことは難しいのだろうと思う。

ボクたちは、人との関わり合いの中で、その人のために行動する時には心のどこかで何かを求めている、場合が多い。それは家族だろうが恋人だろうが、同じことのように思う。無償の愛、それが出来るかというと、とても難しいことのように考えていた。

その遍路氏とそして少し後にやってきて近所の人と3人で21時までいろいろなことを話した。今までプロ遍路たちにはあまり良い印象を持っていなかったのだけれど、その人の物静かな話し方や、けっして自慢しない内容は、聞いていて心地いいものだったし、かなり具体的なアドバイス、たとえば「時間があったら鹿島に渡ってそこのキャンプ場に泊まると良い」なんてことを話してくれた。

そしてその近所の人も、きっと接待ということでテレビもラジオもない善根宿での寂しさを紛らすためにやって来ているのだろうと思った。21時になったら「お開き」になった。ボクも横になりたかった。

ふたりが帰ってしまうと、またいつもの夜がそこにあった。

善根宿のベッドにて

善根宿のベッドにて

*レストラン水車~津呂善根宿
*善根宿泊

(出費)
・スリーエフ下ノ加江店
おにぎり赤飯 125円
たわらむすび弁当 350円
クリームツイスト5個入り 231円
ドデカソーセージ 118円
(小計 824円)

・善根宿
宿泊代 500円
食事代 500円
(小計 1000円)

・自動販売機
缶ココア 120円
缶コーヒー×2 240円

合計 2184円



津呂善根宿で考えたこと(23日目の2)

In : 23日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/10

以布利の海岸を出発したのは13時ちょうどだった。「13時になったら出発しよう」と言い聞かせてから座っていたから。ズルズルと時間を浪費するのが怖かったのだけれど、逆に、タイトに時間を管理してしまう傾向にある。それはほとんどの人に言えることなのだろうと、思っていた。プロたちを除けば、ということなんだけれど。停滞すること、そこで思索すること、は、大切だと考えていたのだけれど…。

混沌…以布利遍路道入り口にて

混沌…以布利遍路道入り口にて


14時 窪津、足摺まで10キロを切ると「今日中に行けるかも」なんて考えてしまう。3時間の距離、17時には着く…。しかし14時30分、窪津小学校前で休憩した。その時点で足摺は諦めていた。どこに泊まるかということを考え始めていた。足摺までの道沿いにはペンションサライがあった。地図を見て、一瞬迷った。迷うというか、布団の感触が背中に蘇る。風呂の温かさや、なによりも安心して眠れることのできることに対しての欲望が湧き起こる。

15時、出発。足摺まであと7キロほどの距離、トイレに行きたくなった。トイレがない。山道…、あ、紙がない…。我慢した。は~。

15時40分、津呂の善根宿着。カーブを曲がって、その宿が見えた時に、「いったいこれはなんあんだろうか」というのが第一印象だった。その宿に入る。誰もいない。「すみません」と声を出すと、上の小屋(風呂のあるところ)で声がした。「あ、こんにちは」。

「こんにちは」とボクは答えた。そして「今日、泊めていただきたいのですが」と言った。その人は「ああ、どうぞどうぞ」と答えた。

「トイレ、お借りしてもいいですか」と言った。ボクはもう目の前にあったトイレのドアノブに手を掛けていた。「どうぞ」…。

それから宿に入った。しばらくすると、さっき話した男性が来て、ドラム缶の暖炉に火を入れてくれた。歩いて来たばかりだったのでそれほど寒くはなかったのだけれど、気温は下がっているようだった。しばらくして宿のオーナーであるKさんがやって来た。そして「洗濯物があるのならこの洗濯機を使って。それからここに干せばいいから」と話して下さった。ボクは「使わせていただきます」と言った。そうしたら「洗剤はこれを使うと良いよ」と…。ありがたかった。

Kさんはそのままご自宅のほうへ行かれた。ボクは洗濯をして、それから干した。雨で湿気ていたテントも干した。そうしたら少し寒くなった。暖炉がありがたかった。それからまたKさんがやって来て「夕ご飯は?」と訊いてきたので「えっと、一応食糧は持ってます」と答えた。

「あれだったら食べる?500円だけれど?」
「あ、いただけるのなら」
「ああ、ごちそうはないけれど。それなら準備するから、出来たら呼びに来るよ」と、また帰られた。

風呂もあるようだった。食事もある。綺麗ではないけれど、屋根があって畳がある。そのことが贅沢に思えた。足摺までの道は、文字通り足を引き摺りながらの道程だった。三十七番札所岩本寺から80キロ、5日かかっていた。身体もだけれど、気持ちも疲れ切っていた。何かの拍子に崩れそうだった。

ボクはドラム缶でできた暖炉の炎を見つめていた。そして考えていた。「何も海外の発展途上国に行かなくても、遍路をすれば豊かさを感じ取れる。この国にいてカルチャーショックを感じ取れる。歩いたり、野宿したり、痛んだり、泣いたり、わめいたり、出来ればの話だけれど」ということを考えていた。インドよりもリアルだ、と思った。

500円がその善根宿の宿泊料だった。その日は貸し切りのようだった。そしてまた夜が足もとにスルリと忍び寄っていた。

津呂善根宿

津呂善根宿



眠れぬ善根宿の夜(13日目の4)

In : 13日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/10/31

同じ部屋に見ず知らずの人と眠るということが出来ない人もいるのだろうと思う。ボクもどちらかというと苦手なほうだけれど、歩き疲れて辿り着く善根宿や遍路小屋では、早々と眠ってしまうので、あるいは眠れることで、相部屋の人との会話も避けられるので、それほど苦にはならなかった。相手が話しかけてくる場合もあったのだけれど。

西岡善根宿、19時にはボクはもう睡魔に襲われていた。ウトウトしながら、同宿のプロ遍路氏と少しだけ話した。プロ遍路氏は、なかなか寝付かれないようだった。部屋の電灯は0時過ぎまで点っていたし、早朝4時頃には点いていた。

それだけならばいいのだけれど、ラジオの深夜番組を聴き始めた。そしてそれは電灯が点く4時までも、そしてその後も聞こえていた。マナーについて話していた人とは思えない行動だったのだけれど、ボクは先輩遍路氏に対しての敬意を表して沈黙していた。ラジオに耳を傾ければいいだけのことだった、そう思った。

そして眠る。またラジオの音や、プロ遍路氏の物音で目が覚める、眠る、という繰り返しだった。

4時に電灯を点けて髭を剃っていた、そしてなにか読んでいるようだった。5時過ぎたらゴソゴソとザックの中から何かを取り出す音が聞こえる。それからパッキングを始めた。これが何度も何度もやり直すというもので、ほとんど病的だった。なかなか良い感じに荷物の位置が決まらなかったのだろう。ボクはもうその時点でハッキリと目がさめていたし、いつ起き出すかという状態だった。6時過ぎに起き出した。

「おはようございます」とボクは言った。
「おはよう」と聞こえた。

ボクはしばらく氏の様子を壁にもたれかかって見ていた。何度かやり直した。50リットルほどのザックに銀マット、テント、予備のバックを外にくくりつけていた。恐らく15キロは超えているのだろう、その重量がパッキングを難しくしているようだった。

ボクも寝袋を片付けた。そしてパッキングする。10分ほどで終わってしまった。それから顔を洗い、出発の準備をした。線香を上げて、神棚の賽銭箱に宿泊代300円を入れた。

プロ遍路氏は、宿泊ノートに何か書いていた。なぜ4時に起きて何度も何度もパッキングしたのか分からなかった。ボクを起こすための嫌がらせか、とも思ったりした。

結局、ボクのほうが先に出発する。「お世話になりました。お先に失礼します」なんて言って、29番札所国分寺に向かった。氏は「ああ」なんて感じの返事をしてくれた。

またプロ遍路という人たちへの嫌悪感みたいなものが生まれた。

雨は上がっていた。いよいよ高知市内だった。ユリさんのところへ行く日だった。そう考えると、また哀しみが蘇ってきた。夕方には逢えるはずだった。

西岡善根宿近くの地蔵二人

西岡善根宿近くの地蔵二人

*安芸市球場前手前の海岸~南国市西山
*西岡善根宿泊

(出費)
・ローソン安芸津久茂店
小岩井コーヒーホット 141円
おにぎりカツオ 105円
おにぎり日高昆布 110円
おにぎり辛子高菜 110円
(小計 466円)

・サンクス芸西店
救急バン 210円
スニッカーズ 120円
(小計 330円)

・道の駅 やす
芋天 100円
モダン焼 500円
(小計600円)

・自販機
スポーツドリンク2本 300円

合計 1696円