Category : 17日目

母さん、ボクのあの黒いパンツはどこにいったのでしょうね(17日目の1)

In : 17日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/04

たまに痛みを思い出すときがある。
もうないはずなのに、踵や膝が痛いと感じるときがある。想い出に引き寄せられるように、感覚が蘇ってくる。風や雨音はあの時と同じで、時間の中へ迷い込んでしまう。それほど強烈に記憶の中に残っている。

立目海岸にて

立目海岸にて


バス停を改造したその遍路小屋の夜は、車の音やライトで何度か起こされたのだけれど、同宿の遍路もあれから寝続けていたし、ボクも疲れていたのか、何度か起きたとしてもすぐに眠りに落ちたので、睡眠は充分取れた。そして4時30分には目がさめた。まだ夜明けまでには時間があったので、暗闇の天井を見つめていた。

5時30分起床。トイレ、と言っても、裏の空き地にて立ちション。水がないので、洗顔もせずに、まるごとソーセージとピーナッツの朝食。パッキングをして6時に出発した。出発前に初老の遍路が起きたので挨拶をした。「お先に失礼します」と言って遍路小屋を後にした。

左膝が痛かった。引きずるように歩き始めた。「これはちょっとヤバイかもなあ」と思った。鎮痛剤を服用。コーヒーが飲みたかったのだけれど、お金が五千円札と50円玉、10円玉4枚、5円玉、1円玉、合わせて100円はあったのだけれど、自販機では使えない、コンビニもない状態だった。次の三十七番札所岩本寺まで50数キロ。長い。深浦集会所の手前で「集会所に椅子がありますから、休憩して行きなさい」と勧められたので、休憩。すぐ横に自販機。

8時30分、立目海岸にて休憩。スーパー、コンビニ、雑貨屋なし…。薬が効いたのか、麻痺したのか、膝の痛みがやわらぐ。歩き始める。

9時30分、浦の内のYショップに到着。買い物。少し先の小さな島のところのトイレにて休憩。洗髪、洗顔。ついでにTシャツとパンツを洗う。この時洗ったパンツが須崎市内で行方不明になるのだけれど…。

少し気分が楽になると、膝の痛みもかなり良くなったように感じていた。それでもその痛みは疲労なんてことではなくて、なにか重大なことが起きているように感じていた。

須崎の遍路小屋で休憩。昼食。おにぎに2個を食べる。30分ほど休憩して、13時に須崎駅着。駅前の郵便局からエキスパックで単行本2冊、ラジオ、ペグを送り返す。本はまだ読んでいなかったのだけれど、膝の痛みから出来るだけ荷物を軽くしようと思ったからだ。

須崎駅でトイレ。少し休憩。13時45分発。洗ったパンツを左手に持って乾かしていた。大師通りで、ザックのサイドポケットに入れたのだけれど、その後道の駅で休憩した時にないことに気がついた。その距離1キロ…。もう引き返す力も、それにパンツだし、と思ったのだけれど、ゴミを捨てて、ごめんなさい。拾った方は不思議に思われたかもしれないですね。パンツが道路の真ん中に落ちているのだから。手に取られたとしたら、「っげ」となったかも、と想像すると、本当に申し訳ないことをした、と思っています。

14時30分、道の駅かわうその里到着。

ザック、菅笠、金剛杖

立目海岸にて



そして大坂休憩所へ(17日目の2)

In : 17日目, 修行の道場, Posted by 田原笠山 on 2008/11/04

札所がない日は休憩する時間が少なくなる。納経に30分~40分かかるとしても、その時間は立ち止まっているので、足を休めるということになる。歩くことよりも、休むことが難しい。時間があるのに急いでしまう。

14時30分に道の駅かわうその里に到着。たこやきとカップコーヒーで休憩。近くにはJoyfullもマックもあったのだけれど、道の駅で休憩。表のベンチに座っていると、昨日塚地峠の休憩所であったお姉さんに再会。「あれ、早いですね」と言うと「ええ、早く出発したんですよ」とのこと。昨日は国民宿舎土佐に宿泊したとかで、その日は民宿安和乃里に予約を入れているということだった。

須崎市遠景

須崎市遠景


お姉さんはそのまま出発した。ボクはそれから少し休憩して15時に出発。15時42分ローソン須崎安和店着。食糧調達。あとはねぐらだけ…。

ローソンを出て国道56号線を歩いていると、「お~い」なんて声がする。右を見ると、お姉さんが民宿の屋上から手を振っていた。「あ、ここだったんですか」と叫ぶ。「ええ、お気をつけて」「はい、また会いましょう」と…。それから会うことはなかったのだけれど、どこかで、きっとボクが停滞している間に、ボクを追い越してしまったのだろうと思う。

焼地峠は通らずに国道を行く。16時40分、焼坂トンネルを出て少し行ったところの遍路小屋に辿り着いたのだけれど、落ち着いて眠れそうになかったので、そのまま歩き続ける。膝の痛みが増してくる。夜がそこまでやって来ていた。

そして土佐久礼の街に入る頃には夜の中にいた。ボクはヘッドライトを出して、分かりにくい道を大坂休憩所を目指した。もうそこしか考えていなかった。

そして18時過ぎに大坂休憩所着。あんぱん、おにぎり2個(かつお、シーチキンマヨネーズ)の夕食後、洗髪洗顔。川沿いの遍路小屋は一番の冷え込みだった。シュラフカバーを夜中に付けたのだけれど、足下が冷えた。そして膝が痛んだ。鎮痛剤を飲んだ。寒さと痛み、不安な夜だった。暗闇がその不安な気持ちを重くしていた。

大坂休憩所

大坂休憩所

*宇佐遍路小屋泊~土佐久礼大坂休憩所
*大坂休憩所泊

(出費)
・浦の内Yショップ
おにぎり2個 210円
ジャンボソーセージ 115円
スポーツドリンク 150円
チロル 100円
(小計 575円)

・道の駅かわうその里
たこ焼き 300円
カップコーヒー 100円
(小計 400円)

・ローソン須崎安和店
C1000コラーゲン180 200円
あんぱん 100円
おにぎりがつお 105円
おにぎりツナマヨネーズ 110円
(小計 515円)

・郵便局
エキスパック 500円

・自販機 
缶コーヒー 120円
スポーツドリンク 150円