逆打ち(2日目の2)

In : 2日目, 発心の地, Posted by 田原笠山 on 2008/10/20

「どうして歩いているんだろう」という疑問はボクの側を離れることはなかった。それどころか雨の日は歩いていることが苦痛にもなったし、その行為への憎悪にもなった。ボクは金剛杖を何度も叩き折りそうになった。道路に強く打ち付けたこともあった。

「南無大師遍照金剛、南無大師遍照金剛」と唱えながら、それはまるで「チキショ~、このやろう~」とほとんど同じようでもあった。鎮痛剤は頭痛を軽減していたのだけれど、筋肉痛関節痛にはほとんど効いていないように感じた。焦燥感、悔恨、不信感、そして空腹感や睡眠不足、いろいろなものが、杖に向かってあるいはボク自身に向かって苛虐する。

歩いていた。吉野川に架かる川島橋を渡った時には16時前だっただろう。あと3キロと少し。ボクは土手の上の道を歩いていた。「へんろ小屋がありますから休んでいけば良いですよ」と、おじさんに声をかけていただいた。ボクの表情に何かただならぬ物、例えば憎しみなんてのを感じ取ったのかもしれない。

ボクはそのへんろ小屋で少し休憩を取った。布団もある、泊まることのできる小屋。「ここにこのまま泊まろうかなあ」と思っていた。思っていたし、そうすることが一番良いようにも考えていた。

法輪寺にて
法輪寺にて イチョウも色付きはじめた。

No comments for this entry yet...

Leave a Reply